4.サメ軟骨の栄養素
サメ軟骨には類稀な栄養成分が豊富に含まれています。それらを簡単にご紹介いたします。

グリコサミノグリカン
グリコサミノグリカン(ムコ多糖)は、動物の結合組織を中心にあらゆる組織に普遍的に存在し、以前はムコ多糖と呼ばれていた多糖類です。コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸はこのグリコサミノグリカンに含まれます。
コンドロイチン硫酸
コンドロイチン硫酸は、動物体内に見られるグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種で、通常、コアタンパク質と呼ばれる核となるタンパク質に共有結合したプロテオグリカンとして存在しています。特に軟骨の細胞外マトリックスに数多く存在しており、皮膚などの結合組織、脳などあらゆる組織にも広くみられます。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、グリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種で、生体内では、極めて高分子量で、分子量が100万以上あると言われています。コンドロイチン硫酸など他のグリコサミノグリカンと異なり、硫酸基の結合が見られず、またコアタンパク質と呼ばれる核となるタンパク質にも結合しておりません。関節、硝子体、皮膚、脳など広く生体内の細胞外マトリックスに見られ、とりわけ、関節軟骨では、アグリカン、リンクタンパク質と非共有結合して超高分子複合体を作り、軟骨の機能維持に極めて重要な役割をしています。
グルコサミン
グルコサミンは、アミノ糖の一つで、動物においては、糖タンパク質、ヒアルロン酸などグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の成分となっています。これらの複合体は、保湿物質として、あるいは軟骨のようなクッション作用を持つ組織の成分として体内においても重要な働きをしています。
タンパク質
タンパク質は、プロテイン(protein)とも呼ばれ、アミノ酸が多数連結してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分の一つです。典型的な生物の細胞における化学組成では、水分を除いた成分の半分以上がタンパク質で構成されています。生体のタンパク質を構成するアミノ酸は約20種類ありますが、それが3つ連結したペプチドだけでも20の3乗=約8000通りの組み合わせがあり、ペプチドよりも分子量の大きなタンパク質については、その種類は数千万種に及ぶとも言われています。また複合的に結合する他成分との組み合わせによってその働きも大きく異なり、人体に最も身近な構成成分でありながら、実は、タンパク質というものはまだまだ解明されていない点がとても多い、未知の栄養素なのです。2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんの研究内容も、タンパク質の構造分析に関するものでした。
マリンコラーゲン
マリンコラーゲンは、真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質の一つです。従来から知られているこうした機能とは別に、コラーゲンに接する細胞に対して、増殖、分化シグナルを与える、情報伝達の働きも担っていることが最近わかってきています。ゼラチンは、加熱によってコラーゲンのらせん構造が崩れて変性したものです。この変性温度は、ほ乳類から抽出されたアニマルコラーゲンが40度前後であるのに対し、サメ軟骨に含まれるコラーゲンはそれより低い温度であるため、アニマルコラーゲンと区別されて、マリンコラーゲンと呼ばれます。コラーゲンのらせん構造は、分解・結合時の変性温度が単離した動物の体温以下であることが知られており、これがアニマルコラーゲンにはない優れた特徴となっています。
カルシウム
カルシウムは科学分類上はアルカリ土類金属に分類され、栄養成分上は無機質としてミネラルの一つに分類されます。カルシウムはヒトの必須元素で、成人の生体内には約1kgほどのカルシウムが存在し、脳の活動を促す働きのほか、骨の主成分でもあります。健康な骨の骨代謝にはビタミンDが必要不可欠で、その他にも適度な日光の紫外線も必要であることがわかっています。カルシウムが不足すると健康に悪影響があるため、カルシウムを補助するための食品や薬品等も販売されています。
各種ミネラル
栄養学においてミネラルとは、一般的な有機物に含まれる元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外に、生体にとって欠かせない元素のことを指し、無機質とも呼ばれます。また、糖質、脂質、蛋白質、ビタミンと並び五大栄養素の一つとして数えられ、ごく少量で生理機能に重要な作用を及ぼします。日本においては厚生労働省によって 12 成分(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・ヨウ素・リン)が示されており、食品の栄養表示基準となっています。
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