内側からはたらくスクワレン
深海鮫の肝油に豊富に含まれる「スクワレン」。実は、とても強力な抗酸化物質なのです。
活性酸素と抗酸化物質
酸素は通常2つが対になってO2という分子で自然界に存在しています。この状態では化学的性質も安定している訳ですが、呼吸の過程でおよそ1%〜3%の割合で不安定な活性酸素が発生すると一般的に考えられています。それ以外にも皮膚では紫外線により酸素が活性酸素に変化したり、また喫煙時に肺の内部で発生したり、ストレスでも活性酸素が発生したりします。

活性酸素は、他の物質から電子を強力な力で奪い取って自らを安定させます。この強力な活性酸素によって犠牲となる物質は、酵素タンパク質や細胞骨格タンパク質、脂質、糖質、DNAやRNAなどの核酸と多岐にわたります。
重要な生理活性物質であるイソプレノイド化合物。
自然界には炭素数5の「C5:イソプレン単位」を基本骨格として持つイソプレノイド化合物が23,000種以上存在しています。イソプレンを出発点としたイソプレノイド化合物群は、生体組織の構成成分としてだけではなく、生物のさまざまな生理現象に関係する生理活性物質としても非常に重要な役割を担っています。実はシグナル伝達やアポトーシスといった重要な生体現象の多くに、このイソプレノイド化合物が関わっています。

例えば、ビタミンE、ビタミンAなど脂溶性ビタミンやビタミンD、コエンザイムQ10、βカロチンやリコピンなどが含まれるカロテノイド、ホルモンとして作用するものが多いステロイドなど、数多くの成分が名を連ねています。これら多くの成分は、皆さんも良くご存知の抗酸化物質であり、スクワレンもこれらの成分と同様に優秀な抗酸化物質の仲間なのです。
抗酸化物質の再活性化と健康バランスの調整役
活性酸素によって酸化されて機能を失った細胞や生体高分子も、電子を再び手に入れることができれば元の働きを取り戻せるにもかかわらず、活性酸素のように積極的に他から電子を奪う行動をとることができません。適切に電子を与えてくれる存在が無ければ、再び息を吹き返すことはできません。
この役割を担ってくれる物質も、実はスクワレンに代表される抗酸化物質なのです。つまり、スクワレンのような有能な抗酸化物質は、活性酸素のような酸化物質を無害化する作用と同時に、酸化されて機能を失った抗酸化物質に電子を与えて、再び蘇らせる重要な役目も果たす事ができるのです。
実はそれだけではなく、スクワレンにはさらに優れた性質があります。先にスクワレンはイソプレノイド化合物であると説明しましたが、イソプレノイド化合物に含まれるステロイドとは副腎皮質ホルモンや生殖腺ホルモンのことを指しています。
ステロイドはもともと健康な私たちの体の副腎で作られ分泌されているホルモンで、特定の組織や器官の細胞にごく少量で強い働きをする特徴が挙げられます。健康な方の体内では、スクワレンのような構成成分から、各種ステロイドホルモンなどが生合成されます。スクワレンの持つ素晴らしい機能は、傷つけられた抗酸化物質を再活性化するという事にとどまらず、体内の繊細な健康バランスを保つ各種ステロイドホルモンの合成原材料であるという大切な役割も果たしているのです。
抗酸化物質とマイナスイオン
電子を与える事で自分自身の持つ大切な働きを失ってしまった抗酸化物質は、その後どうなるのでしょうか?活性酸素に電子を与える事ができる反応前の活性を持ったスクワレンやビタミンなどの抗酸化物質を「還元型」と呼ぶのに対し、活性酸素に電子を与えてしまった後の活性を失ったスクワレンやビタミンを「酸化型」と呼びます。これらの酸化型になってしまった抗酸化物質は、機能を失ったまま体内の中をぐるぐるとまわり続けます。最近まではこの酸化した抗酸化物質はお役御免と考えられてきた訳ですが、最近ある事実が明らかになってきました。実は、この酸化型の抗酸化物質を、再び還元型の活性を持った抗酸化物質へと戻してくれる救世主が存在するのです。
それこそが「マイナスイオン」なのです。マイナスイオンとは、負の電荷である電子を余剰に持っているために陰イオンと呼ばれるイオン化物質です。呼吸などによって肺や皮膚から吸収されたマイナスイオンは、酸化型の抗酸化物質と最初に付着する性質がある事が最近明らかになっています。機能性を失った抗酸化物質を、再び活性を持つ有能な抗酸化物質に蘇らせるためにも、マイナスイオンの積極的な補給がとても大切だということなのです。
抗酸化物質とXYZ理論
XYZ理論とは、活性酸素(X)の消去には抗酸化物質(Y)に加え触媒(Z)が必要であり,活性酸素消去時に光エネルギーが発生するという理論です。特に(Z)の持つ触媒機能は新しい概念であり、現在でも研究が続けられています。このXYZ理論は有名テレビ番組でも取り上げられていますので、ご存知の方も多いと思われます。

この理論が画期的であると高い評価を受けているのは、CCDカメラを用いて目に見えるかたちで理論を実証している点にあります。活性酸素は抗酸化物質などの物質と結合してその活性を失うと、そのエネルギーが光として放出される発光現象を起こします。その発光現象を通して活性酸素の消去メカニズムが解明されるというものです。Zとしての触媒機能が確認されたのは大豆に含まれるサポニンやビタミンB群、ベータグルカンなどで、触媒機能を持つ栄養素の重要性にも、近年注目が集まっています。
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