2.サメ軟骨の基礎知識(サメ軟骨の歴史と部位)
近年よく耳にする「サメ軟骨」。その起源はフカヒレですが、この「サメ軟骨」はいつから現在のように注目されるようになったのでしょうか。
サメ軟骨の歴史
サメの弱点を探る研究が、サメ特有の秘密を暴く結果に。
古くより、フカヒレは中国において高級食材の一つとして愛されてきました。漢方の長い歴史がある中国で愛されてきたフカヒレには、歴史に裏づけされた大きな魅力が備わっているのかもしれません。フカヒレの原料であるサメは、全身の骨格が軟骨でできており、フカヒレのヒレも軟骨に分類されます。フカヒレ以外に、サメ軟骨として注目されるようになったきっかけは、実は海のギャングとして恐れられたサメの弱点を探る研究だったのです。戦闘によって海に落水した兵士にとって、最も恐ろしい敵は、敵国の兵士ではなくサメの存在でした。当時のアメリカ軍にとって、これは兵士の士気に関わる重大な問題であり、軍の研究所がこの研究に着手しました。
まず最初に行われた研究は、高濃度の有毒物質に満たされたプールで、サメを長期間にわたって飼育し、鮫の苦手な毒物を特定する研究でした。しかし、この有毒物質によってサメが発病する事はなく、当時の研究者たちを驚かせました。研究結果が蓄積されていくにつれて、サメ特有の「軟骨」の存在がクローズアップされるようになります。ヒトや哺乳類の硬骨動物は、血管を通じて全身に栄養分を巡らせているのに対して、サメの軟骨に血管はなく、スポンジのような構造の柔軟なサメ軟骨を通じて、栄養分を全身に送っています。このサメ軟骨のメカニズムに研究者たちの注目は集まり、このメカニズムをヒントに、血管に起因する疾病とサメ軟骨に関連する研究発表も数多く発表されましたが、まだ研究が進められている段階です。
ブームが先行し、サメ軟骨という言葉だけが一人歩き…。
このような背景の中で、食品素材としてのサメ軟骨にも注目が集まりました。ある博士はアメリカのTV番組に特集で取り上げられ、その書籍も全米でベストセラーとなり、そのブームは当時の日本にも訪れ、テレビや雑誌でも大きく取り上げられました。日本ではサメの身はかまぼこの原料に、フカヒレは高級食材に、肝油はドロップスに、サメの皮はバッグや財布の材料に利用されてきましたが、余った骨格部分(中骨と呼ばれる部位)だけが利用されませんでした。そこにアメリカからサメ軟骨のブームが到来したために、骨格部分としてのサメ軟骨が、一躍脚光を浴びる状況となったのです。

このサメ軟骨ブームに乗じて、鮮度の悪い安価な中骨だけを利用して大量生産を行う業者や、中骨をフカヒレと称して販売する業者など、数多くの業者が現れ、消えていきました。現在では、ただ安さだけを追求したサメ軟骨や、有効成分だけを抽出したと称する液体サメ軟骨に至るまで、サメ軟骨という言葉を冠した数々の商品が市場に溢れています。同じ粉末サメ軟骨をとってみても、粘度の違いなど内容や品質には大きな違いがあります。
サメ軟骨は成分内容の異なる3種類の部位に分類されます。その違いをご紹介いたします。
サメ軟骨の部位
3種類それぞれの長所と短所
一般的にサメ軟骨と呼ばれるものには、特に明確な部位の区別はされていません。「サメ軟骨とは、フカヒレのことです」と明言している書籍もございますが、このようなフカヒレのみを用いたサメ軟骨は、原料価格が非常に高価なため、市場ではほとんど見かけません。

右の写真のように、一般的にサメ軟骨と呼ばれるものは、中骨軟骨・カマ軟骨・フカヒレ軟骨の3種類に分類され、複合的な栄養成分が豊富なフカヒレ軟骨・カマ軟骨、そしてカルシウム割合が高くサラサラしている中骨軟骨に分けられます。これまでのサメ軟骨は、ほとんどが中骨軟骨を主原料とした商品でした。このことは、それぞれのサメ軟骨に含まれるカルシウム含有量を調べれば明らかになります。

カルシウム量でわかる、サメ軟骨の品質
カルシウムは、人体にとってはもちろん必要な栄養素ですが、過剰摂取の必要はありません。フカヒレ軟骨やカマ軟骨には、カルシウム量が中骨軟骨の4分の1以下しか含まれず、反対に海洋性のマリンコラーゲンやムコ多糖類のコンドロイチン硫酸などの複合的な栄養素が豊富に含まれています。古くから高級食材のフカヒレとして珍重されたり、良質なコンドロイチン硫酸の原料として製薬メーカーなどで利用されているフカヒレ軟骨・カマ軟骨ですが、高価な原料価格にはこのような理由があるのです。

また、単に中骨軟骨だけに着目しても、素材の処理方法によって栄養素の含有割合が大きく異なります。下の写真のように、加熱や薬品によって処理された中骨軟骨では、身の部分だけでなく、軟骨周囲に存在する貴重な複合的栄養素まで完全に除去されてしまいます。これに対しバリューワンの中骨は、熟練したスタッフの手によって不必要な魚肉部分のみが取り除かれ、貴重な複合的栄養素は大切に残されております。写真などで、見た目が真っ白できれいな中骨を、品質が優れたものだと考えてしまう方がいらっしゃいますが、栄養素の観点からきちんと判断することが大切です。
それぞれの長所を生かして、バランス良く配合。
このように、サメ軟骨の部位は3種類に分類され、構成している栄養成分にも違いがあります。複合的栄養素が豊富なフカヒレ軟骨とカマ軟骨ですが、中骨軟骨も水に溶けた時の粘度に大きく影響し、また処理方法によって複合的な栄養素の量も異なります。それぞれの長所を最大限に生かし、かつバランス良く配合させる事が品質の優れたサメ軟骨の条件であると言えるでしょう
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